アイスの本棚

読んだ本、観た映画の感想を書きます。

『海獣の子供』 監督 渡辺歩 2019年

米津さんの「海の幽霊」聞きたさに早速観に行った。 何十年かに1度、海から2人の少年がやってくる。空からは2つの隕石がやってくる。隕石は宇宙からやってくる精子で、海は子宮。少年たちが卵となって隕石と受精し誕生祭の場所まで運ぶ。誕生祭にたどり着い…

『迷路の外には何がある?』 著 スペンサー・ジョンソン 扶桑社

先日読んだ『チーズはどこへ消えた?』の続編ということで読んでみた一冊。 私としては『チーズはどこへ消えた?』より本書の方が共感する人が多いのではないかなと感じた。 比較してみると、『チーズ…』は変化に対して素早く反応できる人とか、常にチャレン…

『チーズはどこへ消えた?』 著 スペンサー・ジョンソン 扶桑社

スペンサー・ジョンソン著の『チーズはどこへ消えた?』を読了。 内容をまとめると、変化を恐れずにチャレンジし続けることが大事、ということ。 ありがちな内容かもしれないけど、こんなに簡潔なストーリーで、こんなにも衝撃的に心に訴えてくる本は初めて…

『オーヴァーロード』監督 ジュリアス・エイバリー 2019年5月

あらすじを見たときからウルフェンシュタインっぽいなぁと思ってたけど、まさにその通りだった。 良かったのは映像と音。爆発とか銃声とかの臨場感が良かった。あと戦闘シーンも良かった。見ていて「あぁ、それは痛い…」って思ってしまう映し方が好きだった。…

『人外』 著 松浦寿輝 講談社

松浦寿輝さんの『人外』を読了。 松浦さんの作品はずっと読もうと思っていたけどなかなか読めておらず、今回が初挑戦。 独特な文章で最初は少し取っつきにくかったけど、読んでいくうちにどんどん引き込まれていった。 アラカシの木から生まれた人外。人でも…

『働き方2.0VS4.0』著 橘玲 PHP研究所

橘玲さんの『働き方2.0VS4.0』を読了。 本書によると働き方のバージョンは下記。 _____________________________________________________ 働き方1.0… 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行 働き方2.0…成果主義に基づいたグローバルスタンダード 働き方3.0…プ…

『バカが多いのには理由がある』 著 橘玲 集英社文庫

橘玲さんの『バカが多いのには理由がある』を読了。 印象に残ったのは冒頭のファスト思考とスロー思考の話。 私も仕事をしていて気づいたけど「この人何考えてるんだろう」って思う相手は大抵何も考えていないし、そんなファスト思考の人って結構多い。 その…

『ベルリンは晴れているか』 著 深緑野分 筑摩書房

深緑野分さんの『ベルリンは晴れているか』を読了。 深緑さんの作品は『オーブランの少女』『戦場のコックたち』共に読んでいるけど、 これまでに増して登場人物も、主人公たちが住む世界も深みをもっている気がした。 ナチスとその占領下の物語は有名だけど…

『沈黙のWEBライティング WEBマーケッター ボーンの激闘』 著 松尾茂起 作画 上野高史

松尾茂起さんの『沈黙のWEBライティング WEBマーケッター ボーンの激闘』を読了。 ブログを書くにあたって何か参考になるものはないかなと思って手に取った一冊。 マーケティングに関する本を読んでいて思うのは、本そのものが上手にマーケティングされてい…

『もっと言ってはいけない』 著 橘玲 新潮新書

橘玲さんの『もっと言ってはいけない』は読了。 前作の『言ってはいけない 残酷すぎる真実』がおもしろかったので購入した一冊。 前作は遺伝がメインだった。今作はそれを踏まえて人種や国ごとの知能、遺伝状況について述べられていた。 どうして人種ごとに…

『一番売れてる月間マネー誌ZAIが作った「FX」入門』 ダイヤモンド社

『一番売れてる月間マネー誌ZAIが作った「FX」入門』を読了。 FXを始めてみようと思って手にとった一冊。 とりあえず練習と思ってバーチャル取引をやってみたのだけど、これが全然うまくいかない。 低い時に買って高い時に売れば良いと思っていたけど、今が…

『言ってはいけない~残酷すぎる真実~』 著 橘玲 新潮新書

橘玲さんの『言ってはいけない』 を読了。 科学的にデータで説明できるからと言って、本書にある内容を大勢の人の前で話すのは確かに危険。人によっては傷ついたり不快になったりするかもしれない。個人的には「そういう見方もあるのか」と感じることが多く…

『女王陛下のお気に入り』 監督 ヨルゴス・ランティモス 2019年

映画『女王陛下のお気に入り』のお気に入りを観た。 なんでこの物語がおもしろいのかなと考えたとき、人が堕ちていく姿は愚かで醜くも、どこか愛おしいからだと思った。愛おしく感じるのは、自分の中にも堕ちていく自分を止められない状態になってしまいたい…

『ある男』 著 平野啓一郎 文藝春秋

平野啓一郎さんの『ある男』を読了。 この物語を”家族とアイデンティティ”というテーマで見ると、とても一貫しているものを感じる。 戸籍を交換している人たちは皆、家族にコンプレックスがある。つまり自分という存在を認めてくれる、証明してくれる他人が…

『君はどこにでも行ける』 著 堀江貴文 徳間書店

堀江貴文さんの『君はどこにでも行ける』をAudibleにて聞き終えた。 海外の経済事情にはアンテナを張っていなかったから、そうだったのか!の連続だった。いまどき海外のことでもニュースを見ていれば大体分かるだろうと思っていたけど、一般の人がどの程度…

『スプリット』 監督 M・ナイト・シャマラン 2016年

シャマラン監督3部作の2作目、映画『スプリット』を観た。 閉ざされた空間の内容だったためか固唾を呑んで見入ってしまった。 前作の『アンブレイカブル』では、超能力に気づいた主人公を現実的に描いているという感じだった。続いて本作では、超能力はどこ…

『アンブレイカブル』 監督 M・ナイト・シャマラン 2000年

シャマラン監督3部作の1作目映画『アンブレイカブル』を観た。 主人公が自分に超能力があることに気がつく物語なのだけど、全然浮かれてなくて、とても現実的なところが好きだなと思った。 確かに力があるからといっていざ人助けしようと思っても、誰を、…

『売れる会社のすごい仕組み』 著 佐藤義典 青春出版

佐藤義典さんの『売れる会社のすごい仕組み』を読了。 マーケティングの勉強がしたい!というよりは『ドリルを売るには穴を売れ』での主人公、売多真子の物語が気になって手に取った一冊。 前作より実践的で、より踏み込んだ内容だと感じた。でもストーリー…

『ジュリアン』監督 グザビエ・ルグラン 2019年1月

映画『ジュリアン』を観た。 暴力を振るう父親から逃げるジュリアン一家の様子がとてもリアルに描かれていた。 夫婦としては離婚したけど、主人公のジュリアンだけは成人ではないという理由から隔週末に父親と過ごすことになる。ジュリアンとしては父親を母…

『宝島』 著 真藤順丈 講談社

真藤順丈 さんの『宝島』を読了。 ウチナー(沖縄)からはアメリカー(アメリカ)やヤマトゥ(日本)がそういう風にみえていたのかととても勉強になった。 と同時にオンちゃんやグスク、レイ、ヤマコたちと一緒に激動の沖縄を駆け抜けたような気分を味わえた…

『アクアマン』 監督ジェームズ・ワン 2019年2月

映画『アクアマン』を観た。 とにかくアクションと音楽の迫力が凄かった。 登場人物たちが人間じゃない人達ばかりなのを良いことに、何でもやり放題なド派手アクションだった。それに合わせてアップテンポな曲もがんがん流していて、8割がたノリノリな感じだ…

『論理的思考力を鍛える33の思考実験』 著 北村良子 彩図社

北村良子さんの『論理的思考力を鍛える33の思考実験』を読了。 とつげき東北さんの『悪の論理』で紹介されていた思考実験に影響されて読んでみた一冊。 結果は同じなのに、条件が違うだけで選択に至る過程が大きく変わることを改めて実感した。 人間だから心…

『新しい文章力の教室』 著 唐木元 インプレス

唐木元さんの『新しい文章力の教室』を読了。 驚いたのことに本書で紹介されている文章力のポイントは、私が3年間twitterで本の感想を書き続けて気づいたことばかりだった。 「なんとなくリズムが悪いなぁ…」とか「句読点の数が…」とか「もっと簡潔で伝わり…

『1R1分34秒』著 町屋良平 新潮社

町屋良平さんの『1R1分34秒』を読了。 前々からちょっと考えていたけど、芥川賞に選ばれる作品には2つの要素があると思う。 1つは人間に関する普遍的なテーマであること。もう1つは、物語としては完結しないこと。 本作のテーマは心の弱さ。主人公はそれを…

『ボヘミアン・ラプソディー』 監督 ブライアン・シンガー

映画『ボヘミアン・ラプソディー』をやっと観れた。 予告を観たときから観たいと思っていて、かれこれ3か月…。観てみればロングランの理由も分かるなぁという感じだった。 まとめると、良かった点は3つ。 まずは、音楽と物語の最高のハーモニー。一通りク…

『ニムロッド』 著 上田岳弘 講談社

上田岳弘さんの『ニムロッド』を読了。 「全知だけど、全能じゃないんだ」と主人公も言っている通り、知ってはいるけどよく分からないもの、自分の力では動かせないものが現代には増えてきていると思う。加えて、仮想通貨から分かるように、情報技術の発展に…

『死ぬまでに観たい映画1001本』スティーヴン・ジェイ・シュナイダー総編集 ネコ・パブリッシング

読み終わったわけではないけれど、最近パラパラとめくっている本。週に1本くらいは、この中から観れたらおもしろいかななんて思ってる。紹介されないと自分のアンテナに引っかかって来ないものってたくさんあるから、特に昔の作品は、ときどき眺めて「おもし…

『劣化するオッサン社会の処方箋』 著 山口周 光文社新書

山口周さんの『劣化するオッサン社会の処方箋~なぜ一流は三流に牛耳られるのか~』を読了。 タイトルに惹かれて手に取った一冊。 副題のとおり、どのようにして現状の劣化したオッサン、劣化した社会が出来上がってしまったのかということを時代背景から論…

『ドリルを売るには穴を売れ』 著 佐藤義典 青春出版社

佐藤義典さんの『ドリルを売るには穴を売れ』 を読了。 マーケティング理論も勉強になったけど、物語がおもしろかった。 各章では、前半に講義形式のマーケティング理論の説明があり、後半に理論を実践する内容の物語が描かれている。物語自体は単純で、主人…

『ミスター・ノーバディ』 監督 ジャコ・ヴァン・ドノマル (2009年)

ジャコ・ヴァン・ドノマル監督の『ミスター・ノーバディ』を観た。Netflixで何となく目についたので観てみたら、素敵すぎて衝撃だった。 物語としては、死ぬ間際の男性が自分の過去を振り返るというもの。構成がトリッキーなので、最初は何が起こってるのか…