アイスの本棚

読んだ本、観た映画の感想を書きます。

『女王陛下のお気に入り』 監督 ヨルゴス・ランティモス 2019年

 
映画『女王陛下のお気に入り』のお気に入りを観た。
 
なんでこの物語がおもしろいのかなと考えたとき、人が堕ちていく姿は愚かで醜くも、どこか愛おしいからだと思った。愛おしく感じるのは、自分の中にも堕ちていく自分を止められない状態になってしまいたいという衝動があるからだと思う。
「ダメだよ」と思いつつも「うふふ、なんてダメな私」と主人公に共感して、一緒に堕ちていくのが何とも快感。
 
ヒーローものではひとつの愛が世界を救うけど、この物語ではひとつの愛が世界を狂わせる(嘘)。
とにかくおもしろかったです。