『人外』 著 松浦寿輝 講談社
松浦寿輝さんの『人外』を読了。
松浦さんの作品はずっと読もうと思っていたけどなかなか読めておらず、今回が初挑戦。
独特な文章で最初は少し取っつきにくかったけど、読んでいくうちにどんどん引き込まれていった。
アラカシの木から生まれた人外。人でも神でもない人外。そんな人外が自分の中に足りない何かを求めて、世界を揺蕩うように旅していく。
生きること、死ぬこと、時間、生きる目的…。
人外が出会う様々な人とのやり取りの中にこの世の真理が描き出されているように感じた。
重たいようで掴み所がない、見えそうで霞んでしまう…。独特な世界観だったけど、うまくこの世を切り取っている気がした。
おもしろかったです。