小説・文芸
松浦寿輝さんの『人外』を読了。 松浦さんの作品はずっと読もうと思っていたけどなかなか読めておらず、今回が初挑戦。 独特な文章で最初は少し取っつきにくかったけど、読んでいくうちにどんどん引き込まれていった。 アラカシの木から生まれた人外。人でも…
深緑野分さんの『ベルリンは晴れているか』を読了。 深緑さんの作品は『オーブランの少女』『戦場のコックたち』共に読んでいるけど、 これまでに増して登場人物も、主人公たちが住む世界も深みをもっている気がした。 ナチスとその占領下の物語は有名だけど…
平野啓一郎さんの『ある男』を読了。 この物語を”家族とアイデンティティ”というテーマで見ると、とても一貫しているものを感じる。 戸籍を交換している人たちは皆、家族にコンプレックスがある。つまり自分という存在を認めてくれる、証明してくれる他人が…
真藤順丈 さんの『宝島』を読了。 ウチナー(沖縄)からはアメリカー(アメリカ)やヤマトゥ(日本)がそういう風にみえていたのかととても勉強になった。 と同時にオンちゃんやグスク、レイ、ヤマコたちと一緒に激動の沖縄を駆け抜けたような気分を味わえた…
町屋良平さんの『1R1分34秒』を読了。 前々からちょっと考えていたけど、芥川賞に選ばれる作品には2つの要素があると思う。 1つは人間に関する普遍的なテーマであること。もう1つは、物語としては完結しないこと。 本作のテーマは心の弱さ。主人公はそれを…
上田岳弘さんの『ニムロッド』を読了。 「全知だけど、全能じゃないんだ」と主人公も言っている通り、知ってはいるけどよく分からないもの、自分の力では動かせないものが現代には増えてきていると思う。加えて、仮想通貨から分かるように、情報技術の発展に…